誤訳の積み重ね・連鎖の恐ろしさ「秀真伝」
パトリック・スミス
『日本人だけが知らない日本のからくり』(株式会社新潮社)を読みました。
だいぶ前に、買っておいた本でした。
と言うのは、かなり変な日本理解なので、ほおって置いた本でしたから。
久しぶりに、手にとって見たら、、気がつきました。
「あ、そうか。 『秀真伝(誤訳ホツマ)』と、同じだ」 と。
直訳の・そのまた直訳したような、理解の仕方でしたから…。
~ ~ ~
もっとも、おかしな個所は、
「かみ」の‘やまと言葉’を、すべて「神」と直訳理解してしまっている事です。
つまり、誤訳です。
‘やまと言葉’での「かみ」は、
多くの意味が包含されています。思いついただけですぐに五指に達します。
1、上(うえ、の意味)、川の上流などもいう
2、祖先
3、偉人
4、天皇陛下(お かみ , と尊称する)
5、西洋的理解での、「神」
それら2~5までを、すべてごっちゃにして、「神(ゴッド)」と、直訳理解してしまう、おかしさは、矢張り外国育ちの人には理解しがたいのでしょうね。
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このことは、
ヲシテ文献を、漢字仮名混じりに、直訳すると、
何ともならない、いびつな物になってしまう、
まったく同様の「からくり」なのでしょう。
~ ~ ~
たとえば、『ホツマツタヱ』の39アヤの例を挙げてみましょう。
ヤマトタケさん(日本武尊)の、おこないになられた論功行賞のところで、
この、引用文中の「かみ」の言葉は、
わたくしなら、「ウタの大切さを良くご存知の、古代の偉人」と理解します。
何故ならば、引用文を現代語に要約しますと、
「ヤマトタケさんの連歌に、ちゃんと返し歌を捧げた人には、クニ(村)がご下賜されました。 みやげ物の運搬に労力を使った人には、報償金だけが下賜されたのでした。
不満に思っていた、 みやげ物の運搬に労力を使った人たちが、
連歌の歴史についての講義を受けて、思わず口について出た言葉が、
『キミ(ヤマトタケさん)は、<かみ>か!』 と、みんなで声を揃えていたのでした。 こうして、ヤマトタケさんの偉さに改めて感動したのでした。」
の、ような内容であるからです。
ちなみに、連歌の返し歌を、捧げえた人物は、
かの、有名な秦の徐福の子孫で、日本名が「そろり・よすな」と言うのでした。
帰化人に、また、帰化人の子孫に、ヤマト文明に造詣の深い人が出るのも、面白いことです。
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それにくらべて、
この、引用文中の「かみ」の言葉を、「神」と直訳したら、
変ですよね。
そのような誤訳の、積み重ねが、「秀真伝(直訳・誤訳ホツマ)」です。
「秀真伝(直訳・誤訳ホツマ)」は、すべて、廃棄処分にするべき代物(シロモノ)であることは、幾人かの人には理解されつつあります。
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