「たつ」とは何か? 漢字以前の自然神とは? その3
詳しく見て見ましょう。
身近なところでは、家々の建屋(たてや)の内にも働きがあります。
漢字で、鴨居や敷居と書いてしまうと、深い意味合いが判らないままですが、
擦(す)れて熱くなりやすいと個所に、水鳥の名前を付けて防火・鎮火の助けとして、「たつた」のカミを招いたのですね。
漢字の当て方について、吟味してみますと、
鴨居は、まあ、何とか良しとしても、
敷居は、いけませんね。 本来は「しぎ(水鳥の鴫)」が原意ですから、敷居は誤訳です。誤訳は、困りモノです。
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「たつ」と、「たつた の かみ」との関係については、
「たつた」のカミの、最も具現化したはたらきが「たつ」であったことは、
前項、その2の記事に引用した『ホツマツタヱ』24-76~77の典拠に明らかです。もう一度、掲示しておきましょう。
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さて、形而上の働きが、物質に具現化してゆくにはさまざまな経緯を必要とします。
自然神の8神のそれぞれの具現化にも、物語があります。
1、ウツロヰ (気体)
2、シナドベ (かぜ・熱くないエネルギー)
3、カグツチ (ほ・熱いエネルギー)
4、ミツハメ (液体)
5、ハニヤス (固体)
6、ヲヲトシカミ (穀物の豊穣)
7、スベヤマズミ (森林治水)
8、タツタヒメ (防火・鎮火)
の自然神のうちの具現化にて、うまくいった物もあれば、そうでもなかったモノもありました。
「おころ」とは、現在で言いますれば、‘もぐら’のことです。
真っ暗な、地面に住んで、モグモグとやっているモグラは、
口を開くと真っ赤です。
どうも、カグツチ (ほ・熱いエネルギー)と、ハニヤス (固体)との間に産まれた生物のようです。
「たつ」になりたい、「たつ」になりたい、 と、
手を掻いて、口をモグモグやりどうしです。
でも、「たつ」に成り損(そこ)ないの‘おころ(もぐら)’にも、役立つ役割があります。
土の中に、カグツチ (ほ・熱いエネルギー)のエネルギーを吹きかけて、災いを防止する力がある。これは、尊いことだ。 と、ニニキネさんから、特段のお褒めを賜ることが出来たのでした。
~ ~ ~
ひと(人)が日常の生活を送る上で、「ほ(熱いエネルギー)」は重要であると共に、その取り扱いには細心の注意を必要とする、危険なものでもあるわけです。
有用な働きであっても、危険なもの、
それと、ひと(人)はどう向き合ってゆくべきか?
それが、「たつた」のカミ、でもあり、
その具現としての「たつ」であったのです。
何か困った時には、「のりと」を述べると良いと、『ホツマツタヱ』22アヤに出典があります。
防火・鎮火の働きを期待し、委託するのが「たつた の かみ」「たつた ひめ」でした。
その、具現化が、「たつ」だったのでした。
火の災いから、ひと(人)を護る。これが、「たつ」です。
隣国の、中国(China)の「龍」の概念とは、大きく異なります。
漢字以前の日本は優れています。 しかし、一方、諸外国については、それほどの事はございません。
漢字以前のヲシテ時代の「たつ」の概念の、その、独自性・高度さには、またしても驚くばかりと申すばかりです。
漢字以前の時代の日本の先進性について、おおよそ、グローバルに見ても他に比肩出来る文明があるのかどうか? 私は、対抗馬も見つけられないでいます。
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